絵画のオークションに参加してみました(1)

シリコンバレーの話題とは直接関係はありませんが、かねてから関心のあった絵画のオークションに初めて参加してみました。
昨年からカタログの年間購読を始め、値段の高くない作品で入札をいくつかしてきました。このオークションは、初心者でも買えるような作品が多く出品されるので、これから始めることにしました。これまでの何回かの体験をまとめてみました。

https://www.my-auction.co.jp/index.html


1. 最初の体験 第235回 絵画・版画・彫刻オークション 
2007年12月7日(金)、12月8日(土)
下見会での確認とインターネットからの委託入札による参加
出品作品:1,120 lots

 10万円以内の油絵の落札を目標にして、最初は数万円で落札できそうな作品を選び、委託入札を試みました。具体的には

ロット番号 150 田辺栄次郎「東スペイン カダケスの丘」油彩F6号 成り行き 
  1万6千円で入札、 落札価格 4万3千円、 落札出来ず。

下見会にはこのオークションのやり方を知るためにも参加しましたが、当日のオークションには参加しませんでした(委託入札による参加のみ)。

反省点 : 田辺栄次郎の作品の評価が十分に出来なかったため、非常に安い入札額で臨み、落札することが出来なかった。初めての体験としては仕方ないか?

久しぶりにシリコンバレーを考える!! (2)

前に紹介した『シリコンバレー:なぜ変わり続けるのか(下)』は、少々本格的なシリコンバレー関連書であるため、読み通すにはやや忍耐を必要とする。
それに比べ、今回紹介する本は読みやすいし、その内容からも面白くわくわくしながら読める本である。それは桐山秀樹『目利き』日経BP社、1999.である。

目利き

目利き

この本には、「シリコンバレーのスター経営者が最も信頼する日本人」という副題がついており、この日本人とはCTC・伊藤忠テクノサイエンス株式会社代表取締役である(であった?)佐武廣夫氏のことである。
佐武氏が長年シリコンバレーで取引関係からお付き合いのあったシリコンバレーのスター経営者9人について、桐山氏が(佐武氏の話しを交えながら)語ったもので、興味深いエピソードが満載されている。
そしてもちろん佐武廣夫氏のことも取り上げられている。佐武氏は1931年生まれと推測されるからすでに今年76歳になられておられる計算になる。

スコットG.マクネリ(サン・マイクロシステムズ会長・社長兼CEO)
レイモンドJ.レイン(オラクル社長兼COO)
ジョンT.チェンバーズ(シスコシステムズ社長兼CEO)
トーマスM.シーベル(シーベル・システムズ会長兼CEO)
エドウィンE.カトマル(ピクサー・アニメーション・スタジオ副社長兼CTO)
Dr.ピーホン・チェン(ブロードビジョン社長兼CEO)
キム・ポレーゼ(マリンバ社長兼CEO)
ジョンS.チェン(サイベース会長・社長兼CEO)
Dr.J.C.ドーン(エンタープライズリンク・テクノロジー製品サービス部門上級副社長)

が上記の9人である。

久しぶりにシリコンバレーを考える!!

日本にいてシリコンバレーのことをVividに描き、考えることは、難しいものである。そこで関連本やDVDなどに頼らざるを得なくなる。

大部古くはなるが、2001年に出版された、Chong-Moon Lee, William F. Miller, Marguerite Gong Hancock, and Henry S. Rowen [2000], The Silicon Valley Edge: A Habitat for Innovationand Entrepreneurship, (Stanford Business Books) , Stanford University Press(中川勝弘監訳『シリコンバレー:なぜ変わり続けるのか(上)(下)』、日本経済新聞社)の下巻を中心に現在読み始めてみた。6年前に出た本であるが、その後このような多面的で本格的にシリコンバレーを論じた本を私は知らないから、まだまだこの本の価値はあるものと思っている。

シリコンバレー―なぜ変わり続けるのか〈下〉

シリコンバレー―なぜ変わり続けるのか〈下〉

翻訳本の下巻は第2部の後半3章と第3部として
第3部 シリコンバレーを形成するさまざまな集団
第13章 ベンチャーキャピタリスト―シリコンバレーのコーチ
第14章 案件の宝庫―ベンチャーキャピタルは地域の形成にどのように貢献したか
第15章 革命への燃料補給―商業銀行のファイナンス
第16章 ニューエコノミーをアドバイスする―弁護士の役割
第17章 信者を導く―エグゼクティブ・サーチ会社の影響力
第18章 イノベーターを導く―なぜ会計士が評価されるのか
第19章 無料の助言―シリコンバレーコンサルティング
の7章からなっている。

シリコンバレーを取り巻く様々な集団をとりあげて、詳細に語られており興味深いものがある。

麻生太郎氏『とてつもない日本』を読む(3)

 麻生太郎氏については月刊誌GOETHE(ゲーテ)7月号(幻冬舎)で「外務大臣という生活 麻生太郎」という特集が組まれていました。関心おありの方はご覧あれ!!

http://www.fujisan.co.jp/Product/1264731


GOETHE (ゲーテ) 2007年 07月号 [雑誌]

GOETHE (ゲーテ) 2007年 07月号 [雑誌]

麻生太郎氏『とてつもない日本』を読む(2)


 麻生氏はアジアの中での日本は「ソートリーダー(Thought Leader)」であり、「アジアの実践的先駆者」であるという認識で、「日本の底力」を冷静な目で見ようとしている。

 さらに高齢化は麻生氏にかかると労働力パワーとなり、「格差感」も「なんとなく気が晴れない」ものとなる。地方の問題もその生き返りにより、むしろ地方の底力となり、日本の強さの一因となる。このように普通否定的に捉えがちな問題を前向きに、楽観的に考えていく点が麻生氏の特徴と言えよう。

 さらに外務大臣として外交の視点から、「麻生ドクトリン」として「価値の外交」と「自由と繁栄の弧」の持論(?)を提案している。

 麻生氏の言う「価値」とは、民主主義、平和、自由、人権、法の支配および市場経済のことで、これらの「普遍的価値」を重視して行う外交を麻生氏は「価値の外交」とよんでいる。
するものである。具体的には、日本から始まり韓国を含み「北東アジアから中央アジアコーカサス、トルコ、それから中・東欧にバルト諸国まで「自由と繁栄の弧」とな
 「自由と繁栄の弧」とはユニークで壮大な考え方であり、上記の「価値」を共有できると思われる、ユーラシア大陸の諸国をぐるりと弧を描いて一つの帯としてみようとる地域」(p.165.)の帯を考えているのである。このようなイメージの下で既に外交が展開されはじめているというのである。

 これらの外交方針の詳しい説明は『自由と繁栄の弧』と題する単行本で述べられている。

自由と繁栄の弧

自由と繁栄の弧

 とにかく日本人に自信を与え、ようやく大人の仲間入りをした日本人に対して、前向きにしてポジティブな考え方で、日本として分相応な言動と行動を、一歩一歩進めていこうと提案している本と言えようか。

麻生太郎氏『とてつもない日本』を読む(1)


シリコンバレーの話題とは直接関係はないかもしれないが、麻生太郎氏の『とてつもない日本』を取りあげてみよう。

とてつもない日本 (新潮新書)

とてつもない日本 (新潮新書)

 新潮新書の217として2007年6月10日発行となっており、その帯には

日本の底力はまだまだ凄い

すべての日本人に自信を与える快著!

とあり、裏表紙の帯には

祖父・吉田茂は、私が幼い頃、よくこんなふうに語っていた。
「日本のエネルギーはとてつもないものだ。日本はこれから必ずよくなる。日本はとてつもない国なのだ」――。
わたしはいま、その言葉を思い出している。

と記されている。

 首相をめざす政治家があるいはそうでないように見える政治家も、国民に向かって本という形で語りかけることが多くなってきた。本書もその一つとして考えることができよう。

 しゃべり方がべらんめ調で知られる麻生氏だが、この本もざっくばらんにとっつきやすい形で書かれている。麻生氏のホームページで掲載したものをベースにして書かれたとのことである。


 まず興味深いエピソードが、本書の「はじめに」で紹介されている。麻生外務大臣がインドを訪問した際のことで、日本のODAを使って建設されたインドの地下鉄視察が日程にくまれていた。地下鉄の駅には「この建設費の70%が日本の援助である」と分かるようにグラフで表示されていたので、麻生氏はインド地下鉄公団の総裁に御礼の言葉を述べると、逆にその総裁から次のように感謝されたというのである。

われわれがこのプロジェクトを通じて日本から得たものは、資金援助や技術援助だけではない。むしろ最も影響を受けたのは、働くことについての価値観、労働の美徳だ。労働に関する自分たちの価値観が根底から覆された。日本の文化そのものが最大のプレゼントだった。今インドでこの地下鉄を「ベスト・アンバサダー(最高の大使)」と呼んでいる―――。(p.11.)


 「日本の底力」を感じさせ、日本人に勇気を与える前向きの姿勢が貫かれた本書は、このポジティブ姿勢という点で、前に取りあげた原丈人氏と共通するものを感じ取ることができる。(つづく)

原丈人氏の『21世紀の国富論』を読む(3)


『21世紀の国富論』はなかなか読みごたえのある本であったが、多彩な活動を続けている方の見解だけに興味深いものがある。会長を務めているデフタ・パートナーズ・グループでの幅広い活動に加えて、国連開発本部(UNDP)の国連資本開発基金(UNCDF)フェローとしての係わりを経て、WAFUNIF(国連本部直属のNGO組織)への支援などの活動は注目に値する。健全な志を持った多彩な活動は通常の経営者の枠を超えるものを感じざるを得ません。

本日(6月28日)の日本経済新聞社には二面に、平凡社による中ぐらいの大きさの広告が出ていた。この広告では、丹羽宇一郎氏(伊藤忠商事取締役会長)と岩井克人氏(東京大学教授)の推薦の言葉も掲げられていた。これからこの本は売れ始めるのだろうか?


この本を読み始めたためにストップしていた『ウィキノミクス』を再び読み始めています。こちらの本もやや読みごたえのあるもので、500ページほどあります

ウィキノミクス

ウィキノミクス