*[『ロングテール』]『ウェブ進化論 』を改めて読み直してみた 第3章 ロングテールとWeb2.0 (その3)

kyamasaki602007-01-27



写真は前日のBarnes&Noble
書店との関連で、ニューヨーク
で長年頑張っている日本の
リアル書店の代表といえる
紀伊国屋書店(ニューヨーク店)。
ロックフェラー・センター
の近くにある。


グーグルのロングテールについては、

グーグルは2005年2月のアナリスト・ミーティングで自分たちはロングテール追及会社なのだと宣言した。アドセンスの達成とは、広告主のロングテール部分と、メディアのロングテール部分をマッチングさせて、両者にとってのWin-Winの関係(両方にとって満足のいく関係)を築いたことである……(中略)……つまり、グーグルのロングテールとは、広告ということに過去に一度も関与したことのない人々という未知の可能性に満ちた新市場の追求に他ならない。(p. 106-107.)

そして、

グーグルの売上高の異常なスピ−ドでの成長は、「参加自由のオープンさと自然淘汰の仕組みをロングテール部分に組み込むと、未知の可能性が大きく顕在化し、しかもそこが成長していく」という全く新しい事実を私たちに突きつけたのだ。(p. 107.)

ロングテールにおけるグーグルの事例の重要性を強調するのである。

さらに、「配信」ではなく「創造」という小見出しの部分で、ソニー・ミュージック・エンターテイメント(SME)社長・丸山茂雄氏が立ち上げた、mF247を紹介し、

http://mf247.jp/index.html

彼のブログの文章「配信もいいけどインターネットを新しい物を生み出す道具として使おう。」を元にして、

http://d.hatena.ne.jp/marusan55/20050808

この文章における「配信」と「新しい音楽を生みだそうという試み」(創造)との違いが、ロングテール論における「負け犬」の集合体と「未知の可能性」の違いに呼応している。(p. 109.)

と「配信」と「創造」の違いに注意を促している。

また、「ロングテール現象とはネット世界でのみ起こる現象」 (p. 110.)とし、「ロングテール」対「80:20の法則」(あるいは「パレートの法則」)の対比に言及している。

さらに、アマゾンのウェブサービスの意義を説明し、日本でもアマズレット(Amazlets)の様なサイトを自由に作れるようになった点に注目している。

http://www.amazlet.com/

アマゾンはこのウェブサービス経由での売上げから15%の手数料を得る仕組みを導入していたので。アマゾン島事業自体よりもアマゾン経済圏支持事業の利益率の方が高くなった。自社の生命線たる商品データベースを公開することで、アマゾンはネット小売業から、eコマースのプラットフォーム企業へ、テクノロジー企業へと変貌を遂げたのである。これがアマゾンのWeb 2.0化である。(p. 116-117.)

最後に、サーチエンジン最適化の問題についてアマゾンが早い時期から気づいていたことについて、

すべての人が検索エンジンを利用して目的のサイトにたどり着くような世界がくるならば、ありとあらゆる言葉に対する検索結果で、アマゾンのサイトが上位を獲得できることがアマゾンの売り上げの飛躍的向上と同義となる。2002年の段階でそういう世界観を持った企業はほとんどなかったが、検索結果の上位を獲得することを最優先事項とアマゾンは意識したのだ。現在でいうSEOサーチエンジン最適化)だ。(p. 118.)