『『ウェブ進化論 』を改めて読み直してみた 第3章 ロングテールとWeb2.0(その2)

kyamasaki602007-01-26



 右の写真はニューヨーク
5番街にあるリアル書店
 代表格のBarnes&Nobel書店
(2007年)最近移転したらしい。


さて、梅田さんは「ロングテール」現象について、入門的説明をした後、クリス・アンダーソン(Chris Anderson)さんのワイヤードの記事に言及し、

米国のリアル書店チェーンの「バーンズ・アンド・ノーブル」が持っている在庫は13万タイトル(ランキング上位13万までに入る本)だが、アマゾン・コム(Amazon.com)は全売上げの半分以上を13万以降の本から上げていると発表したのである。高さ1ミリ以下で10キロ近く続くグラフ上のロングテール積分すると、まさに「塵も積もれば山」、売れる本の「恐竜の首」の販売量を凌駕してしまうというのだ。」(p. 100)

(注)アマゾンが全売上げの「半分以上」をロングテール部分から上げているという数字は、アンダーソンさんによって、2005年に「約3分の1」に訂正されたという。( p. 105.)

またさらに、

アップルの「iチューンズ・ミュージック・ストア(iTMS)」関係者によると、取り扱っている100万をはるかに超える楽曲の中で1回もダウンロードされなかった曲はないらしい。ロングテールは長くなって連なっており、大ヒット依存のリアル経済圏とは全く異なる経済原則で事業モデルが成立し始めている。(p. 101.)

iTMSのケースに言及している。ちなみにアンダーソンさんの本によれば、イーキャスト(デジタル・ミュージック・ボックス)、iTMS、ネットフリックス(インターネットの宅配レンタルビデオ店)、アマゾン、ラプソディ(オンライン音楽配信サービス)などの事例を挙げている。

また「「恐竜の首」派とロングテール派の対立」という見出しの部分で、ロングテール派について、

でも米国にはアマゾン・コムやグーグルといったルール破壊者が存在し、新しい世界を切り開こうとしている。いま書店で販売されている本を、そしてさらには世界中の図書館に存在する過去から現在に至るすべての本をスキャンして情報発電所の中に取り込み、その内容を誰もが自由に検索できるようにしよと構想した。そして「それは供給者側にとっても良い事だ」という新しい理論武装を用意し、供給者側を説得しようと試みた。彼らの理論武装、つまりその新しい考え方は、ロングテールの視点がないと理解できない。(p. 102-103.)

そして、具体的に、アマゾンの
2003年10月 フルテキストサーチサービス(Search Inside the Books)を開始。
(日本でも2005年11月 「なか見!検索」サービス開始。)
に触れ、またこれから始められるという、
「アマゾンページ」 (本をページ単位で販売する。)
「アマゾン・アップグレード」 (アマゾンを通して購入した顧客に対してのみその本をオンラインで読む権利を提供する。)などに注目する。

さらに、グーグルに関しては、

「グーグル・ブックサーチ」 (世界中の図書館の本を全部スキャンして検索できるようにしてしまおうという企て。)をやや短兵急で、過激だがと紹介する。(以上、p. 104-105.)