1169635802**[『ウェブ進化論 』]『ウェブ進化論 』を改めて読み直してみた 第2章(つづき その3)


少し時間が空いてしまいましたが、『ウェブ進化論 』のノートを続けましょう。

第2章の5節では「グーグルの組織マネジメント」と題して、グーグルの組織の特徴を「情報共有」と「エリート」の採用に求めている。社員全員が情報を共有することで、組織にスピードとパワーが生まれ、優秀な人材を採用することで質の高い競争が会社内で展開されることになる。

創造的であると同時に競争的で、普通の人ならへとへとになりそうな仕事環境を好む優秀な技術者ばかりを採用する。そしてテクノロジー、得意のITと検索技術を駆使して組織マネジメントを行えば、創造性を上げつつ生産性を高めることができる。そういう考え方だ。……(略)……米国に脈々と流れる「ベスト・アンド・ブライテスト」信奉に、徹底的な情報共有の考え方を取り入れ、それをテクノロジーで支えようというのである。(p. 82.)

そして「情報共有」は従業員数が5000人となった時点でも続けられているというのは驚異である。社員が5000人という大規模になっても「情報自身の淘汰」が起こり、「情報共有」は充分に機能するというのである。そのような環境で競争が行われる。

グーグルでは、何かをこなすだけの人材では困る。すべての社員に研究者のような行動を求める。全員にあまねく創造性の発揮を要求する。そしてそれが「20%―80%」ルールとして定着している。就業時間の80%は検索エンジンや情報発電所インフラの開発といった既存プロジェクトに参画するが、20%の時間はオリジナルな仕事にあてなければならない。(p. 86-87.)

そしてややくり返しになるが、

情報共有を前提としたこの仕組みが「ベスト・アンド・ブライテスト」たちの競争心を刺激し、競争環境がさらに研ぎ澄まされ、グーグルが次々に新しいサービスを社内から生み出す源泉となっている。(p. 88.)

6節の「ヤフーとグーグルはどこがちがうのか」では、楽天ライブドアとの違いに触れた後で、グーグルとヤフーの違いに話が展開される。

アマゾンやヤフーといったグーグルより先発の米ネット列強は、グーグルの登場によって、ネット産業というのはテクノロジー事業なのだということに気づかされた。それがヤフーによる検索エンジンの内製や、アマゾンによるウェブサービス戦略(次章で詳述)や独自検索技術の追求につながり、シリコンバレー検索エンジン戦争のメッカになりつつある。(p. 90-91.)

そしてヤフーとグーグルの違いについては、ヤフーはメディア、グーグルはテクノロジーという小見出しの表現が的を射ているであろう。


今回は最後になってしまいましたが、「第2章 グーグル――知の世界を再編成する」におけるキーワードは、

アドワーズ」、「アドセンス」、「グーグル・アース」、「Gメール」

「10 things Google has found to be true」(グーグルが真実だと見出した10の事柄)

インターンネットの「こちら側」と「あちら側」

「あちら側」の「情報発電所

「情報共有」

ベスト・アンド・ブライテスト

などであろうか。